2月の掲示 合理的ってなんだらう

2月の掲示は

合理的ってなんだらう

です。

「~だらう」は、昔の言葉っぽく書きたかったのではなく、私の大好きな少女漫画家のいくえみ綾さんが、時々登場人物にさせているやわらかな言い回しをイメージしました。ご存じの方は、いくえみ男子が言っているところを想像していただければと思います。

ご存じじゃない方は「潔く柔く」がお勧めです。完結済みですよ。

さて、合理的という言葉ですが、私が持っている辞書『大辞泉』第二版には

「合理的」

1,道理や論理にかなっているさま。
2,むだなく能率的であるさま。

『大辞泉』第二版

道理とは物事の正しい道筋や正論の事、論理も同じような意味があります。

今月の掲示をこれにしようと思ったことには理由があります。先日、とある方と話をしている中で、

「親鸞聖人は合理的な考えをしていた」

というようなことを耳にしたときに、ふと思ったんです。

「親鸞聖人は合理的だったのだろうか・・・」

そんな時に、学生時代にお世話になった方が言っていた

「他の仏教宗派の事を勉強したら、どれだけ浄土真宗が特殊かわかるよ」

という言葉を思い出しました。確かに、浄土真宗は仏教の沢山の宗派と比べても特殊と言えるところが沢山あります。もちろんお他宗さんの事をしっかり学んでいるわけではありませんので、軽率なことは申し上げません。

でも、それを思い出したときに思ったのが

「親鸞聖人は、現代人から見たら合理的かもしれないが、当時からするとかなり特殊だった」

ということです。

だってそうですよね「非僧非俗」と言って、当時国家公務員とも言えた「僧侶」の立場とは一線を置き、他力の仏道を歩んで行かれた。それが親鸞聖人であったと思います。

そこで、私が引っかかったのが「合理的」という言葉です。

「正論」「正しい道筋」

これって、時代や状況によって様々なんです。

鎌倉時代から比べて、きっと今の正論や道理は違っていることでしょう。

でも、そんなに時間がたっていなくても変っていることはきっと沢山ありますね。

私が中学生で運動部だったときは、水を飲む回数を定められていたのをよく覚えています。

今考えると、合理的ではないですよね。でも、それが正論だったんです。

当時はそれを疑問にも思わなかった。別に、当時を恨んでもいませんが、今の子ども達にそのようにするべきだとも思いません。

正論って、合理的って変わるんです。今正しいと思っていることも時代が変わればどうなるかわかりません。

「正しい」に捉われると、苦しくなることが必ずあります。

「こうしなければならない」「ああしなければならない」これは非常に窮屈ですし、上手くいかなかったときすごくつらくなります。

でも、自分の中に間違いの無い基準を持つのは無理です。

だからこそ、自分の大切にする「変わらない教え」と共に生きていきたいと思います。

イギリスのウェリントン公爵という方の言葉に

「宗教なき教育はただ悧巧なる悪魔を作るなり」
(Educate men without religion, and make them but clever devils.)

というものがあります。

合理性や、正論だけでは語れない日常を私たちは生きているんです。その中で、私の歩む道しるべとなるのが宗教「私の宗(中心)となる教え」なのだと思います。

だからこそ私も「南無阿弥陀仏」と共に、「合理的ってなんだらう」と思いながら、これからも日々を過ごしていきたいと思います。

 

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1月の法話会

1月8日(土)14時より
オンライン、無参拝にて定例法話会を行いました。

下の画像からお参りできます。ぜひお参りくださいませ。

アーカイブされていますので、後日でも改めてお参りいただけます。是非お時間がある時にリラックスしながらお聴聞ください。

 

こちらの画像からyoutubeにとべます

オンライン法話会

これまでの法話会。メニューのオンライン法話会から、お参りいただけます。時間がなかったという方。ぜひお手すきの時にでもお参りください。

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