6月の掲示 「伝える『伝わる』を大切に」

今年ももう折り返し地点です。

あれ?この間年が明けたばかりのような気が・・・

ともあれ、慶念寺も先日設立総会を終えて、大きな一歩を踏み出す1年になりそうです。

さて、今月の掲示は

伝えるより「伝わる」を大切に

です。

これは、私自身が常日頃から心がけていることであり、出来ているかと言うと自信がないことでもあります。

私が「伝えよう」と思うことと、相手に「伝わる」ことは別物です。

子ども達が言葉を話すようになって、より痛感したことでもあります。

伝えようと思って言葉を重ねると、それがかえってわかりにくさにつながってしまうこともありますし、

言葉で伝えるよりも、ふるまいで示した方が良く伝わることもあります。

最近もやんちゃになってきた息子相手に悪戦苦闘している私です。

伝えようとしすぎて、最終的に怒りの形相をしていることもしばしば。

そして、そういった時に限って伝わっていないのです。

先日、ラジオのお仕事をさせていただく機会がありました。

ラジオは、音声だけで伝える媒体ではありますが、そこには「伝わる」ように演者さんやスタッフさん含めて沢山の方の気遣いが詰め込まれていました。

文章や、相づち、丁寧な補足、間などあげだしたらきりがありません。

そこで、気が付きました。伝わる。と言うのは、気遣いであり、自身がそう思っていることがしっかりと表現されているから伝わるんです。

相手を見ずに「伝えよう」としたところで伝わるものも伝わりません。

言葉で伝えるなら言葉を選んで、ふるまいで伝えるなら自らのふるまいを省みる。

しかし、それをしたところで相手を見ていなければ伝わるものも伝わりません。「私が」じゃ、ダメなんですね。

しかし、わかっていてもそうできないのが私自身でもあります。自覚したうえで、出来る限りのことをしたいものです。

そして、もう1つ浄土真宗で大切な「伝わる」があります。

それは、教えが「伝わる」ということです。

親鸞聖人は善導大師の

自信教人信じしん-きょうにんしん 難中転更難なんちゅう-てんきょうなん

みづから信じ人を教へて信ぜしむること、難きがなかにうたたさらに難し。

大悲伝普化だいひ-でんふけ 真成報仏恩しんじょう-ほうぶっとん

大悲をもつて伝へてあまねく化するは、まことに仏恩を報ずるになる。

『往生礼讃偈』

を、

自信教人信 難中転更難

みづから信じ人を教へて信ぜしむること、難きなかにうたたまた難し。

大悲普化 真成報仏恩

大悲ひろあまねく化するは、まことに仏恩を報ずるに成る。

『教行信証』「信巻」

と読み替えていらっしゃいます。私が伝えるのではない。私をして阿弥陀様の大悲が伝わっていくのです。

仏教が伝わるのは、お坊さんの手柄じゃないんです。私達が「なんまんだぶ」をよろこぶ姿そのものが、阿弥陀様の大悲のはたらきであり、それが周囲へと広がっていくのです。

大切にしてほしい時は、まず自分が大切にする。

よろこんで欲しい時は、まず自分がよろこぶ。

でも、それも全部私に伝わってきた大悲のはたらきなのです。

伝えようとしてもなかなか伝えられない私だからこそ、私に伝わり、私から伝わっていくおはたらきをよろこべる。そう思い、

今月の掲示を

『伝えるより「つたわる」をたいせつに』

にいたしました。

 

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