平時は左手に、合掌をするときは両手を通しましょう。
お念珠(数珠とも言います。)は、仏事には欠かせない大切な道具です。浄土真宗第8代目の宗主である蓮如上人は
当山の念仏者の風情をみをよぶに、まことにもて他力の安心決定せしめたる分なし。そのゆへは珠数の一連をももつひとなし。さるほどに仏をばてづかみにこそせられたり。しょうにんまたく珠数をすてゝぶつをおがめとおおせられたることなし。
本文『御文章』第2帖5通 現代語訳『蓮如の手紙』浅井成海監修 国書刊行会
このお山の念仏者の様子を見ていると、他力の信心を決定しているとはまったく思えません。
なぜかといえば、数珠の一連さえ持つ人がいないからです。ということは、仏をいわば手づかみにしておられるということです。親鸞聖人が「数珠を捨てて仏を拝め」と仰ったことはまったくありません。
と仰っています。仏事には必ず念珠をもつようにしましょう。
お念珠は左手に持つ。
合掌をするとき以外にお念珠をどのように扱うか、迷うことがある方もいらっしゃるかもしれません。
まず、重要なのは「お念珠は必ず左手に持つ」ということです。お焼香をするときは右手で行うようにしましょう。
そして、手首にとおしたりはせず、軽く握っておくようにしましょう。
また、お念珠を置く際には地面や人が腰かける場所などに直接置くことはせず、机の上か、やむを得ず地面や椅子に置く際には何かを敷くようにしましょう。
この際の注意事項ですがお経本も仏様の教えが説かれた大切なものですので、お念珠同様に、地面などに置くことはいたしません。ですので下敷きにお経本を使うのはやめましょう。風呂敷やハンカチなどの上に重ねておく分には構いません。
合掌をするときは両手を通して
「合掌・礼拝とは」にて、合掌時のお念珠の持ち方について記載しておりますので、同内容を掲載いたします。
まず、胸の前で手を合わせましょう。その際、お念珠には両手の親指以外の四指をそろえて通します。親指は軽くお念珠を抑えるようにしましょう。
約45度角度で上に向けてください。(もちろん、無理はなさらなくて結構です)その姿勢のまま「南無阿弥陀仏」とお念仏をするのが合掌です。この時は必ず声に出してお念仏をするようにしましょう。この時に手をこすり合わせたり、お念珠をジャラジャラとならすことはいたしません。
合掌の姿勢は意識をすると難しいように思いますが、力を抜いて、自然と手を合わせたら胸の前で自然と手が合わさるのではないでしょうか。リラックスしてお念仏をいたしましょう。
以上抜粋記事
また、お念珠は男性が珠の大きい紐の念珠、女性が珠の小さい房の念珠を使うことが多いですが、特にこだわる必要はありません。
手の大きさに合ったものを用いるようにしましょう。