A5,お仏壇には何をお供えしたらいいのでしょうか?

お仏飯(ぶっぱん)・生花をお供えしましょう。お水・お茶はそなえません。

お仏飯

お仏壇にお供えするものとして代表的なのがお仏飯です。朝のお参りの際にその日に炊いたご飯をまず仏様にお供えし、そのあと朝食をいただく。お供えしたお仏飯は正午にはおろし、おさがりとして頂く。

というのが一番の理想です。しかし現実は毎朝ご飯を炊いていないご家庭もありますし、朝はパンです。というご家庭もあるでしょう。ですので、ご飯を炊いた朝にはお供えをする。パンをお供えするでもよろしいかと思います。お仏パンなんてダジャレをいう住職もおります。私たちに必要なのは「こうしなければいけない」ではなく「お給仕させていただく」という心です。使命感で行うのではなくご報謝の心でお給仕しましょう。

生花

お仏壇は仏様の世界を模したものですので、偽物はお給仕しません。ですので、造花は避けましょう。夏場など暑くてお花がすぐダメになってしまう季節でも、菊一本・スターチス一本でもいいので生花をお供えしましょう。しかし、生花をお供えするにあたり、トゲや毒のある花は避けるようにしましょう。

お水・お茶

浄土真宗で供えないものとして、皆さんに不思議がられるのがお水とお茶です。
お経(仏説阿弥陀経)の中には阿弥陀様のお浄土には八功徳水という、功徳に満ちた水が湛えられている様が説かれています。ですから、亡き方や仏様にわざわざ水道の水など、娑婆世界の水を「のどが乾かないように」と差し上げる必要はないのです。
しかし、水そのものがいけないわけではありません。お水をお供えする際には、お仏壇の中にある華瓶(けびょう)という小さな花瓶に樒(しきみ)という香木を生け、香水としてささげましょう。

その他のお供え

ご家庭のお仏壇でお参りをしていると、故人の好きだったものがお供えしてあることがあります。
ただ、基本的に上記の物以外でお供えする場合は御餅・お菓子・果物にしましょう。
アルコールやたばこなどはお供えいたしません。
また、最近ではお菓子やお酒をかたどったロウソクも販売されていますが、それらもできるならば避けた方が良いでしょう。
そして、お供えしたものは腐ったり傷んだりする前に、必ずおさがりとして頂戴するようにしましょう。仏様にお供えしたものをおさがりとして頂き、私のいのちの糧になってくれる恵みをよろこぶことが大切です。

供えたいものを供えたらよい

上には供えてはいけないものをつらつらと書いてまいりました。実際これらを守っていただくに越したことはありません。
しかし、命の終わる縁は様々です。のどが渇いたと終わる縁もある。お酒が好きだったのに晩年は全く飲むことが出来なかった。など、そういった無念から、たとえ供えてはいけないとわかっていても、供えてあげたい思いもあるでしょう。それは否定されるものではありません。
私の個人的な意見としては、それが手を合わせるご縁になるのであれば、それで良いのです。
しかし、いつまでも亡き方を可哀そうな「いのち」にしていてはいけません。どこかで、区切りをつけ、私たちをいつも見守ってくれる仏様として、お供えをはじめとしたお給仕を行うようにしましょう。

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