9月の掲示「正しさを笠に人を責める これは正しくない」

9月になりました。

きっと多くの子どもたちの夏休みも終わり、いつも通りの日常が戻ってくるのではないでしょうか。

我が家の子どもたちもようやくいつも通りの日々に戻ります。

夏休み自体は終わっていたのですが、給食がとうとう月曜日から始まるのです。やったー!

さてさて、今月の掲示は

正しさを笠に人を責める これは正しくない

です。

これは私が学生の頃に読んだ『図書館戦争』という小説に出てくるとある人物のセリフがもとになっています。

そのセリフというのが

「正論は正しい、だが正論を武器にする奴は正しくない」

正論を笠に、同僚を追いつめていた部下に対して、言った言葉です。

このセリフは、多くの後輩がいた大学生の私に深く刺さりました。心当たりどころか、自分がまさにしていたことだったからです。

正しくあろうとすることはとても良いことです。

それが自分に向いているうちはいい。しかし、それが人に向かっていった時、その正しさは時として人を傷つけてしまいます。

しかも、自分が正しいと思っているから、「私が正しいんだから、これは悪いことではない」と人を傷つけたことを正当化してしまうことにもつながります。

以前、娘から言われた言葉を掲示板に書きました。

それは

「ねえお父さん。正義って何?」

でした。その言葉に対して私は

「自分が正しいと思っていることかな」

と答えたのをよく覚えています。

正しさを振りかざすと、人は他を傷つけることをいとわなくなる事があります。その最たる例が戦争ではないでしょうか。

いつだって争いごとは正しさと正しさのぶつかり合いなんです。

それに加え、今の社会は

「こいつが間違ったことをしたんだから責めてもいい」

という風潮があるような気がしてなりません。この間まで行われていたオリンピック。私も夢中になって観戦をしていたのですが、

ニュースなどを見ていると、結果が芳しくなかった選手に向かっての中傷や、判定に対しての不服からくる攻撃的な言葉が並んでいることもあり、

自分の事ではないのに、気分が落ち込みました。

有名人が不用意な発言をすると一斉に、攻撃をする。

「この人が間違ったことをしたから」
「この人が先に人を傷つけたのだから、この人は傷つけてもいい」

そんなことあるわけがないでしょう。人を傷つけてもいい理由なんてないんです。

「ロジハラ」という言葉があるそうですが、そういったことではないんです。

正しさや論理を使って、教えようとしてくれる善意まで否定したいわけではありません。

そこに、明確な悪意や害意があるのに、正しさで包んでさも善意のようにふるまう。

さも相手のことを思っているかのようなそぶりで、傷つける。

相手が反論できない状況で行ってしまえば、それはただの弱い者いじめです。

これは決して良いことではありません。

正しいことを言うことは良いことです。私自身もそうあるように心がけています。

ただ、「正しさ」を笠に着てはいけないんです。

社会に生きているうえで、どうしたってぶつかることもあるでしょう。

口調がきつくなってしまうことだってあるし、人を責めたくなることもあるでしょう。

私だってそうです。

だからこそ、自分の中の「正しさ」を見るのではなく相手を、そして自分を見る。

それが、よりよい関わりにつながっていく。

そう思い、今月の掲示を

「正しさを笠に人を責める これは正しくない」

にいたしました。

 

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