3月の掲示「逃げることはわるいことじゃない」

今月の掲示を何にしようかと考えている時に、子どもたちから絵本を読んでとせがまれ、

とある絵本を読みました。そして、その絵本の中にあった言葉がとても印象に残ったので、その言葉を基に今月の掲示を決めました。

「逃げることはわるいことじゃない」

私は長い間、逃げることや頼ることは悪いことだと思っていました。

学生の頃などは特にその気持ちが強かったように思います。

しかし、大人になって思います。

「逃げることはわるいことじゃない」

「話せばわかる」と言いますが、人と関わる機会が増えれば増えるほど、分かり合えない人もいることに気が付きました。

それは、自分を傷つける存在であったり、逆に私が相手を傷つける存在になってしまったりすることもあるのです。

親鸞聖人も「悪をこのむ人をば、つつしんでとほざかれ」と善導大師のお言葉を引いて門弟に伝えています。

もちろん、私自身が思うままにふるまうのであれば、それは私が悪を好んでいる状況であるとも言えます。

そうでないのであれば、どうしても生き方が合わないのであれば「慎んで遠ざかる」ことは決して悪いことではないのです。

そして、遠ざかるという言葉にも大切な意味があるのではないかと思います。

「離れろ」でも「避けろ」でも「近づくな」でもないのです。

「遠ざかる」と聞いてどのような状況を想像するでしょうか。

視線はどこを向いているでしょうか。

私は、その問題から目を放さずに距離を置いている状況を想像します。

学生の頃に観たアニメの中で、主人公が母親に

「嫌なことがあったら逃げてもいいけれど、目をそらしているだけでは逃げたことにはならないんだよ」

のようなことを言われる場面があって、すごくハッとしたことを憶えています。

目をそらしているだけで逃げたつもりになったならば、いつかは捕まります。

自分と嫌なことの間をしっかりと見据えて、自分の出来る最善を尽くしていく。

それが慎んで遠ざかるということなのかなと思います。

でも、背を向けて一目散に逃げた方が良い時は、なりふり構わず逃げた方がいいです。無理して傷つくことはありません。

そうではない時は、しっかりと距離を測って最善を尽くしていくことによって本当の意味で遠ざかることが出来るのだと思います。

無理は禁物です。そう思い、今月の掲示を

「逃げることはわるいことじゃない」

にいたしました。

 

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