9月の法語 見る人の数だけ物事はある

9月の法語は

です。

 先日、薄暗くなってから3歳の娘と車に乗っていた時の事でした。

「お父さん!お月様があるよ!」

と娘が言うので冗談半分で

「よかったね。じゃあ、おうちにつくまで何個お月様が見つけられるかな」

と言ってみました。家について何個あったか聞くと

「今日は2個だった。昨日は3個見つけられたんだけどな」

と言っておりました。かわいくもあると同時に、どこか幼いながらの面白さがあったのですが。よく考えてみると、これって大切な感性だなと思いました。

 同じ物事でも、見る人・見る場所によって見え方は違います。どれだけ一緒に過ごしていても、どれだけ同じものを見てきても本当の意味で同じものを見ているわけではないんです。

 そしてまた、私自身もその場その場で見え方、考え方が変わるということです。同じ月を見ていても見え方が違っていれば、一晩にいくつもの月を眺めることができるのが私たちなのです。
 場所もそうですが、その時の心境によっても物の見え方は変わります。愛らしいと思う存在も、時によってはわずらわしく感じるのが私なんです。

 また、私にとって美しく見える月も、誰かにとっては忌々しく見えることだってあるかもしれません。
 同じように、私が正しいと思っていることでも、誰かにとっては大きな間違いに見えることもあるでしょう。逆もまたしかりです。

 「正さ」を否定するのは「間違い」ではありません。「別の正しさ」です。正しさをもつことは大切です。しかし、正しさを振りかざしたらそれは相手を攻撃する武器になってしまいます。

見る人の数だけ物事はある

 私たちは、本当の意味で分かりあうことなどできないかもしれません。でも、それを知ることによって分かり合おうとすることができる。寄り添い合うことができる。それがこころゆたかな生活につながるのではないかと思うところです。

-掲示伝道, 日日慶念寺(ブログ)