11月の法話会は宗祖報恩講ならびに開所記念法要を行います。ただ、もしかすると
「宗祖報恩講って何?」
という方もいらっしゃるかもしれません。なので今日のブログは
「報恩講」について少しお話をしようと思います。
浄土真宗にとって最も大切な年間行事が報恩講です。真実のみ教え、阿弥陀様の教えをお示しくださった親鸞聖人に、「ありがとう」という報謝の思いをかたちに表し、あらためてそのみ教えを聞かせていただく場、これが報恩講です。
報恩講は親鸞聖人のひ孫にあたり、本願寺の第三代宗主である覚如上人が、親鸞聖人の三十三回忌にあたり『報恩講式』作って法要の次第を定め、親鸞聖人のご遺徳を偲ばれたことから始まります。
つまり、「報恩講」とは親鸞聖人のご法事です。
『報恩講式』の末尾には
おのおの他力に帰して仏号を唱へよ
『報恩講式』
ともあり、「親鸞聖人がその生涯をかけて顕かにしてくださった阿弥陀様の教え聞かせていただき、お念仏申しましょう。」と結ばれています。親鸞聖人の明らかにしてくださった阿弥陀様の教えをよろこばせていただくことが、「ありがとう」という思いをかたちに表すことになるのです。
現在、報恩講は西本願寺では毎年一月九日の午後(逮夜法要)から十六日の午前(日中法要)にかけて七昼夜行われます。当初は、親鸞聖人の毎月のご命日にお勤めをされていましたが、本願寺第八代目の宗主の蓮如上人のころから、祥月命日である、旧暦の十一月二十八日にかけての七昼夜お勤めをする方式になったようです。これを「御正忌報恩講」と言います。
明治時代になり、本願寺第二十一代目の宗主である明如上人のころに、「改暦の令」によって、西本願寺は新暦のご命日を算出し、現在の日程になっています。東本願寺などでは、旧暦の日付のまま現在も十一月二十八日に御正忌報恩講を勤めています。
また、一般寺院や門徒の家庭では、御正忌報恩講に本山にお参りできるように、日付をずらして報恩講を営んでいます。そのことを「おとりこし」「おひきあげ」などと言うことがあります。
私たちは、先祖の年忌法要には比較的気を配りますし、場合によっては「盂蘭盆会は大切にするけれど、報恩講は…」ということもあります。しかし、ご先祖の方々が心から慕われたのが親鸞聖人であり、そのご先祖の方々は、今は仏様となって私たちのもとへ「親鸞聖人の教えをよりどころに人生を歩むように」と願ってくださっています。
親鸞聖人のご恩を仰いで、お念仏とともに人生を歩む。報恩講はそのような私たちにとって、何よりの勝縁となる法要なのです。報恩講のご縁は努めて大切にしていただければと思います。
11月の法話会は14日(土)14時より
宗祖報恩講ならびに報恩講法要を勤修いたします。
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