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二月の掲示は
普通ってムツかしいよ
です。
今月をこれにしたのは、ふと
「普通って何だろうな」
と思ったからです。
昨年の今頃は、マスクもせずに特に何も気にせずに過ごしておりました。心配なのは、インフルエンザとノロウイルス。それくらいでしたね。それが普通だと思っていたのです。
しかし、私達が思う普通というのは、本質的には普通ではない。それは、何においてもそうだと思います。
100人いれば100人の普通があるんです。つまり、それは普通ではなく私の基準を普通と錯覚していることに他なりません。
そのことが段々とわかってきて、社会も変化しつつあるように思います。段差にスロープがついたり、エレベーターに鏡がついているのも1つですし、学校の制服も選べるようになっているようです。一人一人の普通に寄り添う社会になってきているのかなとも思います。
私の例で言いますと、子ども前でお話をするときに、「お父さんお母さん」という言葉を使うことをやめました。「おうちの人」と言うように気を付けています。
学生のころの話です。私は週末にお寺で子ども会をする部活動をしておりました。そんなある日、担当が私だったので、子ども達の前で少し連絡事項などのお話をいたしました。その流れで、
「おうちに帰ったらお父さんお母さんにも伝えてね」
と言ってしまったのです。すると、一人の男の子が
「うち、お父さんいーひん(いない)」
と、ボソッとつぶやいたのです。私の普通が、子どもを傷つけてしまった。そう思いました。その日から、私は子ども達の前で「お父さんお母さん」と言うことをやめ、「おうちの人」と言うようにしました。
普通を辞書で調べると、「ごくありふれたものであること」「あたりまえであること」とあります。どちらも、本当は頭に「私にとって」がつくことだと思います。
普く通ずるには、相手のことをあらゆる物事を見通す力が必要です。その力を私たちは持ち合わせておりません。本当の意味で普く通ずることが出来るのは仏様だけなのです。
自分の基準を相手にねじ込むために「普通」という言葉を使うのではなく、相手のことを理解するために相手の「普通」を知ろうとする。それが大切なのだと思います。
本質的なの意味での「普通」がムツかしい私だからこそ、様々な普通に目を向けていきたい。そう思います。
2月13日(土) 14時より
オンラインにて涅槃会法話会を行います。下の画像をタッチしてお参りください。
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