8月の掲示「和顔愛語」

もう今年も8月まで来ましたか。8月のお盆が始まる前に、ホッと一息つきたいと思います。

さて、今月の掲示は

「和顔愛語」

です。「わげんあいご」と読みます。

私なりに、短く意訳するのであれば「やわらかな表情、やさしい言葉」です。

これは『仏説無量寿経』に出てくる言葉で、「和顔愛語にして、意を先にして承問す」とあります。

「相手の身になってやわらかな表情と、優しい言葉を発し、相手の気持ちを推し量って先んじて動く」と言う意味です。

これが出来たら最高ですよね。私も心がけています。

でも、実際に出来ているかと言うと別のお話。

最近の事です。妻が職場に復帰して、生活環境が大きく変わりました。

弟も保育園に行くようになり、今までは家で待っていてくれたお母さんも仕事で帰りが遅くなり。

平日は、夕ご飯の担当はお父さん(私)に変わりました。

最初のうちは、勢いで行けていた家族全員ですが、年中さんの娘は変化に伴うストレスで、段々と不安定になっていきました。

すぐに泣いたり、わがままを言ったり。

それに対して

きっと変化のストレスで大変なんだろうな

と思いつつも、私も変化でいっぱいいっぱい。優しい言葉をかけてあげるよりも、厳しく接してわからせようという態度をとってしまっていました。

しかもそれに関して、先に感じたものにフタをして

みんな頑張っている中で、娘がわがままを言っている

と思ってしまっておりました。

しかし、厳しく接すれば接するほどに、娘の不安定さは増していきました。

そんなある日、娘が体調を崩した時に病院で

「新しいクラスの担任の先生厳しい?」

と、聞かれました。新しい担任の先生は優しく子ども達の事をよく見てくれている先生です。

もしかしたら、私が厳しくしすぎているかもしれません…

そんな会話をして、気づきました。それまでの娘に向けていた、表情や言葉の硬さに。

きっと、幼いながらに頑張っていた。でも、どうしてもダメな時に、それを受け止めてもらえないからこそ、より不安定になって行ったのだと思います。

それから、保育園の先生や、ずっと気にして一人フォローしてくれていた妻に相談し、少しずつ声掛けを変えていったところ、最近では娘も大分落ち着いてきました。

やわらかな表情、そしてしっかりと考えて発するやわらかな言葉は、相手だけじゃなく自分自身も変えてくれます。

「相手の身になってやわらかな表情と、優しい言葉を発し、相手の気持ちを推し量って先んじて動く」

言うのは簡単ですが、実際に行うのは非常に難しいです。自分のすがたが自分には一番見えにくいのですから。

だから、相手を通して自分を見る。そして、この「和顔愛語」と言う言葉を通して自分をながめてみるんです。

すると、「もっとこうしたらよかった」という反省が山のように出てきました。

取り返しのつかないことも、もしかしたらあるかもしれません。でも、それはやらない理由にはなりませんし、やってみた方が絶対にお互い楽になります。

存外、やわらかな表情も優しい言葉も、意識しないとできないものです。

失敗してもいい。どうしてもきつい言葉や、厳しい顔つきになってしまうこともあるでしょう。

でもそんな時に、この言葉を思い出してほしい。そう思い

今月の掲示を

「和顔愛語」

にいたしました。

 

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