今月の掲示は、マンガから選びました。
自分と同じ世界が見えている人なんて、この世にいないんですよ
『ブルーピリオド』11巻 佐伯先生
この言葉は、主人公が高校時代の恩師のもとで、絵画教室の先生としてアルバイトをすることになった際に、とある出来事が起こり悩む主人公が恩師から言われた一言です。
この場面は視覚に関してのことなのですが、この言葉を見た時に、
「まさに私たちのものの見方だな」
そう思いました。
先月の掲示の時にも書きましたが(9月の掲示「美味しい時は 美味しいと 伝えよう」)
物の見え方というのは、何も視覚に限った話ではありません。
私達は自分達一人ひとりがそれぞれに違ったモノサシを持っています。
どれだけ同じ時を過ごし、どれだけ同じものを見てきたとしても、考え方、見え方というものが違います。
そのような中で自分の見えている通りに相手も見ていると思い込んで、互いに傷つけあうことも多くあるのが私たちなのです。
虫が大好きな人もいれば見るのも嫌だという人もいます。
子どもの声がにぎやかでいいと思う人もいれば、単純に騒音だと思う人もいるのです。
そしてそれは、何をきっかけで変わるのかはわかりません。
虫に興味を持つ人と過ごすうちに、虫が好きになることもあるかもしれません。
もともと子どもが好きだけれど、自分に余裕のない時には、無邪気な声がかえって気に障ることもあるでしょう。
良い悪いも状況によって移り変わるのが私たちなのです。
その他にも「この人はいいけど、あの人はダメ」というような自分の好みで線引きをしていることもあるのではないでしょうか。
何も、それがダメだと。全部やめろと言っているわけではありません。
しかし、自分がそうであるように、他の誰かもそうであるんです。
むしろ
他の誰かがそうであるように、自分がそうあるんです。
自分の物の見え方は、決して平等になることはありません。
だかろこそ、自分の見ているものが相手にはどう見えているのだろうか。そういった視点を持つことは、人とふれあっていくうえでとても大切なことです。
身近な人だけでなく、むしろ苦手な人、あまり関わりたくない人に対して、よりその視点が大切になる。そう思います。
喧嘩した時、いがみ合う時、そのことを考えるだけでも、自分の物の見え方が広がります。
でも、いくら広げても、自分の見え方は完全には自分にしかわからない。相手の見え方は相手にしかわかりません。わかったつもりが一番危険です。
そのことを心に止めおきながら人と触れ合うことが大切なのだと思います。
相手と全く同じ世界が見えているわけではないからこそ、自分と全く同じ世界を見ている人もいない。
完全には分かり合うことのできない私達だからこそ、分かり合う努力が出来る。通じ合った時の感動がある。
そのことをあらためて感じさせてくれたので
今月の掲示を
自分と同じ世界が見えている人なんて、この世にいないんですよ
『ブルーピリオド』11巻 佐伯先生
にいたしました。
そして、
このように決して平等に物事を見ることが出来ない私達だからこそ、平等の眼差しで包んでくださる阿弥陀様がいらっしゃる。
そのことを、あらためて味わっていきたい。
そう思います。
10月の法話会
10月9日(土)14時より
オンライン、無参拝にて「定例法話会」を行います。
下の画像からお参りできます。ぜひお参りくださいませ。
アーカイブされていますので、後日改めてお参りいただけます。是非お時間がある時にリラックスしながらお聴聞ください。
オンライン法話会
これまでの法話会。メニューのオンライン法話会から、お参りいただけます。時間がなかったという方。ぜひお手すきの時にでもお参りください。
公開講座の動画限定公開中(パスワード保護されています)
先日行われた公開講座の動画を申込者限定で公開しております。こちらからご覧ください。
動画の視聴をご希望の方は問い合わせフォームから、「公開講座視聴希望」とご連絡ください。パスワードをお伝えいたします。
ご法事やお葬儀のご相談はお気軽に
慶念寺とゆかりがない方でも、ご法事やお葬儀のご相談はお気軽になさってください。
「火葬だけしたんだけどやっぱりお経をあげて欲しい」「派遣でお坊さん呼んだんだけど、以降連絡が出来ない」
そんなご相談も承ります。もちろん、その他のご相談もお気軽にお尋ねください。相談のみでも大丈夫です。
できる限り丁寧に対応いたします。
の問い合わせフォームからでも結構ですし、お電話でのご相談も承ります。直接いらっしゃる場合は一度ご連絡ください。
些細なことなどありません。気になることはお気軽に。