12月の掲示「便利になったけど 待てなくなったよねぇ・・・」

今月の掲示は

「便利になったけど まてなくなったよねぇ・・・」

です。

先日、車で移動中にラジオを聞いていると、パーソナリティーの方が

「ここ数十年でずいぶんと便利になったけど、相対的に時間の進み方がどんどん早くなってるよね」

と話をしておりました。

たしかに。私が子どものころから比べても、ずいぶんと便利になったと思います。

連絡手段も様々な物が出来ました。

でも、手紙だったら数日から数週間は待てたけど、メールだと待てて数日。SNSだと1日どころか数分しか待てないような自分がいることに最近になって驚いています。

便利になって余裕が出来るかと思いきや、時間の進みがどんどん早くなって、余裕を持つどころか気づかないうちに時間に追われている自分がいます。

そういった潜在的な焦りから、時に不寛容になってしまう。

時間に余裕を持とうと思ってどんどん時間に追われてしまっています。

そしてまた、情報もインターネットで調べるとたいていのことがわかります。

何かを調べるために、辞書を開く回数も減ってきたのではないでしょうか。

インターネットで情報が得られるようになって便利にはなった。けれども、いつの間にか私は自分好みの情報を探しています。

そして、自分好みの情報と違った考えを持った人を見ると、不快感を覚えている自分に気づくのです。

便利になって豊かになったかと思えば、その豊かさの中でまた新たな不快感を生み出している。

でも、それは特別なことでも、驚くべきことでもありません。

得たならば失うことを悩み、無ければ得たいと悩む。そしてまた、自分の中の正義があり、その正義に沿わないものは否定したくなる。それが私のすがたです。

そう考えると、すごく暗い考えのようですが、そう言ったわけではありません。

悩むのが私、焦るのが私、怒るのも私。そしてまた、よろこぶのも、感動するのも私なんです。

不快感を次々作り出してしまうのは、人間である以上、求めるものがある以上仕方のない事と言えます。

でも、私だけじゃない。周りの人だってそうなんです。

私に対して不快感を覚える人もいるでしょう。気づかないうちに誰かをイライラさせていることもあるかもしれません。

そう思った時に「私が!」という視点から少しだけ離れることが出来るのではないでしょうか。

便利になって待てなくなった自分を、ちょっと足を止めてながめてみる。

すると、

「なんでこんなにカリカリしていたんだろう」

と思うこともしばしばです。そして、相手の事を聞いて「そうだったんだね」と相手のことがわかり、嬉しくなることもあります。

焦ると周りの事しか見えなくなり、自分が見えなくなります。

自分が見えなくなると、人を羨んだりねたんだりしてしまう。

便利になって待てなくなったからこそ、足を止めることが心に余裕を持つことにつながるのかもしれません。

待って、聞いて、思いやる。「私が!」の心を少しだけ降ろしてみる。

そのことに立ち戻るために、今月の掲示を

「便利になったけど 待てなくなったよねぇ・・・」

にいたしました。

 

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11月の法話会

11月13日(土)10時・14時より
オンライン、無参拝にて「宗祖報恩講ならびに開所記念法要」を行いました。

今年の「宗祖報恩講ならびに開所記念法要」は、「オンラインだからできること」をテーマに行いました。

法話は住職だけでなく、公開講座でお世話になっている南條了瑛先生や伊東の寶專寺の遠山泰範先生。そして、慶念寺と同じ布教所として活動している方々にお話を頂いております。

その他、『御伝鈔』の拝読や『御俗姓』の拝読なども行いました。

皆様のお参り心よりお待ちしております。

この度の法要は動画自体は残しておきますが、パートごとに別の形で配信をする予定でおりますので、是非そちらもご覧ください。

オンライン法話会

これまでの法話会。メニューのオンライン法話会から、お参りいただけます。時間がなかったという方。ぜひお手すきの時にでもお参りください。

公開講座の動画限定公開中(パスワード保護されています)

先日行われた公開講座の動画を申込者限定で公開しております。こちらからご覧ください。

動画の視聴をご希望の方は問い合わせフォームから、「公開講座視聴希望」とご連絡ください。パスワードをお伝えいたします。

ご法事やお葬儀のご相談はお気軽に

慶念寺とゆかりがない方でも、ご法事やお葬儀のご相談はお気軽になさってください。

「火葬だけしたんだけどやっぱりお経をあげて欲しい」「派遣でお坊さん呼んだんだけど、以降連絡が出来ない」

そんなご相談も承ります。もちろん、その他のご相談もお気軽にお尋ねください。相談のみでも大丈夫です。

できる限り丁寧に対応いたします。

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-掲示伝道, 日日慶念寺(ブログ)